クラブフィッター 坂元 巧さん
ツアーバスに乗りプロのクラブを組んでいた、その腕・眼力は、まさにプロ。クラフトの経験値は高く、今使っているクラブを診断し、悩みをじっくり聞くことで、ある程度要望通りのクラブを作ることが出来る。大阪の工房と言えば、真っ先に名前が上がる人気店。
クラブフィッターの坂元巧さんは、元々ツアーバスに乗り、プロゴルファーのクラブ調整やフィッティングをしてきた経歴の持ち主だ。その後大手量販店の仕入れ業務担当を経て、「ゴルフ工房 匠」を立ち上げたのは12年前。ゴルフのフィッティングをする中で、プロのクラブは、ヘッドスペックから、グリップ、タイミング、振りやすさなど、すべて合わせられたものだが、一般のアマチュアゴルファーは、既製品のスペックに合わせなければならないという事実に疑問を抱いたという。スイングにバラつきのある一般ゴルファーこそ、フィッティングされたクラブが必要なのでは、という思いでこの工房を立ち上げたのだ。
「やはりアマチュアだから、その時の調子、気温、スイングで状態が変わってくるので、試打が一番良い方法ではないと思っています。だからウチは、これまでのクラブ遍歴を伺い、今使っているクラブを見させていただいて、その上でどこにストレスがかかっているのか判断して、それを解消するようなヘッド、シャフトを組み合わせていくやり方をとっています」
クラブ診断をしてから、2、3日でクラブが仕上がるということはありえない。お客さんがどういうことを求めているか、その人の癖や特徴を自分の中に入れて、グリップの挿し方からシャフトチョイスなど、その人になりきって、時間をかけて完璧なクラブに仕上げていく。
「出来上がったクラブをお客さんに渡す時に、私は90%完璧なクラブです、と言っています。100%と言ってしまえば、『もうちょっとこうしたい』という要望も言えなくなってしまう。だから残り10%は、何でも言ってくださいと伝えています。もちろん調整はサービスで対応させていただいています」
お客さん一人ひとりに合ったクラブを考えているからこそ、扱うメーカーも厳選している。それは、こちらのオーダー通りのヘッドスペックを用意できるメーカー。そういう対応ができなければ、坂元さんが求めるフィッティングができないということなのだ。もちろん、ロマロは細かい要望に応えてくれるメーカーだという。
「ロマロのクラブはパターから始まったと思うんですけど、その時にこれは本物だと思いました。そこからの付き合いですね。そして初代RayシリーズのFW、UTの人気に火が付き、それからはパーツ市場を引っ張るような一目置かれるような存在になっていますね」
ロマロのFWやUTは、ラインが出しやすいクラブで、UTで190ヤードくらいの距離をランニングアプローチのイメージで打てる数少ないメーカーともいう。ロマロじゃなきゃダメなお客さんは多く、最近ではすべて揃える"ロマラー"もいるとか。新しいタイプRも、ウェイト調整、デザイン性、高級感が彼らに支持され、Vシリーズや前作のタイプRから乗り換えるお客さんが多い。それだけ美しい顔、すわりの良さなどとともに満足の行く結果が得られるシリーズだと太鼓判を押す。「本物しか扱わない」という強いこだわりを持つフィッティングのプロが認めたロマロタイプR。シリーズの底知れぬ可能性を見た気がした。
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